秋田・角館の伝統工芸「樺細工」のキャニスター

こんにちは。鉄鍋伝道師の山口です。(^_^)v

秋田県仙北市・角館(かくのだて)の伝統工芸・樺(かば)細工。
桜の皮から作る茶筒がお馴染みですが、容量をコーヒー用にデザインし直した「コーヒーキャニスター」が入荷しました。
ふだんの暮らしはもちろん、アウトドアに持ち出しても自然に溶け込む、美しいキャニスターです。

樺細工の茶筒で一般的なのが、このように皮をきれいに磨いて赤い生地を出して、筋模様が横で作られたもの。

しかし入荷したキャニスターは、桜皮の中でも素朴で荒々しい美しさを持つ希少材「霜降皮」を用い、そして樹皮の模様が縦筋になるように作られています。
まるで枝そのものをカットしたように見えますよね!


でもこの作り方だと、傷のないきれいな霜降皮の使用面積が大きくなってしまうため、一般的には横筋のものが大半です。
その点からも希少な逸品と言えます。

樺細工は山桜の樹皮を用いた世界で唯一の工芸です。山桜の樹皮は、代々受け継がれてきた技術で剥がせば数年で再生し、樹木を枯らすことがありません。
桜なのに「樺」の語源は、万葉集の中で山桜を「かには」と表現したものがのちに「樺」に転化したと言われています。

樺細工の筒は湿気を避け乾燥を防ぐ特性を持っており、古来から薬入れや煙草入れとして用いられてきました。こちらの商品はコーヒーキャニスターと銘打ってますが、もちろん茶筒や菓子入れとしてもお使いいただけます。

天然の桜皮のため、お使いいただくうちに艶が増し、色合いも変化し、経年変化をお楽しみいただけます。
鉄鍋、ヌメ革製品と同じですね。

熟練職人から代々受け継がれてきた製作技術。機械では絶対に作れない職人技の結晶です。

内側と中蓋はきれいに磨き上げた赤い生地です。


「樺細工こそは、角館が誇っていい、日本固有の産物である。
世界のどこへ出しても差支えはない。」 柳宗悦


「幸いにも日本の各地には、日本固有の藝能が幾多残る。だがこの名誉を負うのは、もはや中央の都会ではない。日本の固有性はいつにかかって地方にある。そのためそれらのものをある人は、取り残されたものとして、古い形式の中に入れてしまう。


だが今日のように国民の意識が擡頭(たいとう)して来ると、固有性の弱い都市文化では、力がないことが分る。振り返るとそこには日本性の退歩が著しいのを感じる。だから色々の点で、地方の文化が重い意味を示してくる。

 だがその地方性も、ただ観念的なものに終っては力がない。どこまでも具体的な姿であることが望ましい。ここで造形の分野がどんなに頼りになるか知れない。ここでは物に即して日本を語れるのである。

 日本にはかかる固有なものが色々ある。だがその中で性質が一番はっきりしている一つは角館の樺細工である。樺細工は何も角館と限ったことはない。だがここほどその仕事が見事な発達を示している所はない。

 樺細工というのは損な名である。すぐ白樺を聯想するからである。桜皮細工といってしまえば通りがいいが、しかしそれは都会人にそう思えるというに過ぎない。土地では樺細工で久しい間通っている。誰も想い惑う者はない。樺は古語では「かには」といい、これが後に「かば」となったものだと思える。そうしてこれは桜を意味していたから、「かば」の言葉は既に古い使用である。樺即ち樺桜は、広い意味での山桜である。それも山桜の皮を用いる細工である。これがさきにも述べた通り、秋田県羽後国仙北郡角館で珍らしい発達を遂げた。何もこれだけが羽後の固有な工藝だとはいえない。だがこの国の特産を何で一番代表させるかというと、誰でも樺細工を挙げるであろう。それほど仕事が盛であり、技においても他国の追従を許さない。樺細工こそは、角館が誇っていい、日本固有の産物である。世界のどこへ出しても差支えはない。町の内外に住む工人の数は現在四百五十人にも及ぶという。
/「樺細工の道」(昭和17年12月15日発行)」



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・コーヒーキャニスター(大・200g)22,000円
・コーヒーキャニスター(中・150g)18,700円
・コーヒーキャニスター(小・100g)16,500円
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